砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎

御主人様(サイイド)からの指示だとファティマさんから言われて、顔を覆っていたニカーブを取り、身に(まと)っていたアバヤも脱ぐ。

遠目で見れば黒一色のアバヤであるが、実はそれぞれにちゃんと「個性」がある。

アブダビでサマラさんに用意してもらったあたしのアバヤには、襟元や袖口や裾に繊細なレース編みが施されていた。


アバヤの下から現れたシフォンのやわらか素材の長袖ブラウスと足首までのワイドパンツの姿になったあたしは、ランクルの車外に出る。

そして……目の前の光景を見て、あんぐりと口を開けた。

——な、な、なに……ここ……?

広漠とした一面の砂丘に突然、まるでアラビアンナイト(おとぎ話)に出てきそうな巨大な「宮殿」が、どーんと(そび)え立っていた。

天幕(テント)を出発してから、さほど「ロデオ状態」が続かなかったのも納得で、ここはまだリワ砂漠の中だった。

——まさか、ここって……
カ◯ール・アル・サラブ・デザート・リゾート?


リワ砂漠から乗り入れて、そのまま敷地内のホテルに向かうことのできる専用道路が設けられた、UAE屈指のリゾート地だ。

アブダビからはもちろん、ドバイからも来られるため、旅行者にたいへん人気の「砂漠のオアシス」である。


——もしかして、ラジュリーは……

ここで「初夜」を迎えるつもりなの?

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