砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「初めまして、ミスター・マーリク。
大橋不動産の三浦 真珠子です。
初めてこの国にきたばかりでなにもわからず、ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いいたします」
あたしはそう告げて、握手する手を差し出す代わりに、深々とお辞儀した。
丁寧なお辞儀は、存外に外国人にウケるのだ。
「『真珠子』の漢字は『真珠』を意味します」
愛想良くにっこりと笑いながら話すこの「ネタ」は、外国人に対して自己紹介する際のあたしの「鉄板」だ。
日本ではなかなか読んでくれない我が名ではあるが、外国人にとっては「pearl=日本」なので重宝するのだ。
(このときばかりは、名付けてくれた両親に感謝だ)
「صاحب السمو ، تقول إنها ستزعجك لأنها لا تعرف شيئًا عن هذا البلد」
「إن شاء الله」
「بالإضافة إلى ذلك ، اسمها يعني لؤلؤة في اليابانية」
「هل هي تتحدىنا للقتال؟」
「إنه غير ممكن」
——あぁ、やっぱりさっぱりわからない……