砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「マスター・マーリク、失礼しました。
なにぶん、彼女はたった今東京から赴任したばかりで……」
林室長がすかさずフォローに入ってくれる。
——うっ、室長、
着任早々に申し訳ありません……
心の中でスライディング土下座だ。
「السيد هاياشي يقول "نحن آسفون جدا"」
早速、ムフィードさんが通訳する。
「لا يبدو أنها تعرف الكثير عن بلدنا」
だが、マーリク氏はあたしに向けて放つ眼光鋭い眼差しをいっさい緩めることなく、
「ذا كانت تحب اللؤلؤ كثيرًا ، فسأسميها لؤلؤة」
と告げた。
「إن شاء الله」
ムフィードさんがマーリク氏に応える。
——ま、まさか……
着いて早々、担当を外されるんじゃ……⁉︎