砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「……マミコさん、ミスター・マーリク呼んでます」
ムフィードさんに教えられて、ハッと我に返る。
「あっ……す、すいません」
あたしは、あわててマーリク氏に目を向けた。
「Lulu」
マーリク氏の鋭い目が、あたしを見据える。
——目力、相変わらず怖っ!
しかも、『ルールゥ』って同じ真珠の意味でも、大橋さんがさわやかにあたしを呼ぶ『パールちゃん』とは、全然違うんだけどっ!
「We’ve exchanged our marriage contract,right?」
〈我々は結婚の契約を交わした、ってことでいいな?〉
思わず、軍隊で上官から命令された下っ端兵士のように「Yes,sir!」と言ってしまいそうになるのを堪えつつ、
「Sure, I am very aware of that.」
〈もちろん、重々承知しています〉
と、応じる。
「As a result,you’ll live here from today based on the contract we signed.」
〈したがって、今日から君は我々がサインした契約書に基づいて、ここに住むことになる〉