砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「This is the room where the mistress welcomes her guests. And if you open the door over there, you'll find the mistress's bedroom.」
〈こちらはこの家の奥様がお客様をお迎えになるときのためのお部屋でございます。そして、あちらの扉を開けますと、奥様のための寝室がございます〉
——おおっ、あたし専用として、ホテルのスイートがすっぽり与えられたよっ!
「Also,there’s the walk-in closet next to the bathroom where you’ll find your belongings.」
〈さらに、バスルームの隣にウォークインクローゼットがございまして、お持ちになったお荷物はそちらにございます〉
アブダビに来てからは、会社が押さえているホテルを「社宅」代わりにして滞在していたのだが、同じエリアにあってもこのホテルとは全然ランクが違った。
独身のマーリク氏にとってここは、いずれ結婚してちゃんとした居を構えるまでの「仮宅」のつもりだったそうなのだが、ホテル住まいが性に合っているのか、思いの外「快適」らしい。
なので、あたしを第三夫人に迎えたあとも引き続き住むことになっている。
あたしにとってもこんなに豪華な上に職場にも近いため異論はなく、願ったり叶ったりだ。
「Well then, we’ll let you know when we’re ready to serve your meal. If you need anything else, could you please call on me?」
〈それでは、食事のご用意が整いましたらお知らせします。もしなにかありましたら、わたくしをお呼びくださいませ〉
そう言って、サマルさんは部屋を出て行った。