青い夏の、わすれもの。
...はずだった。


「おい!ボーンのファースト!」

「あっ、はいっ!」


私は思わず立ち上がってしまった。


「なんなんだ、その気の抜けた音は?!大会まであと2週間なんだぞ?!もっとファーストとしての自覚を持て!」

「はいっ」


威勢良く返事をしたものの、その後もミスを連発。

その度に合奏が中断された。


「ボーンのファースト!なんか言うことないのか?!」


他の人もミスはしている。

でも、致命的なミスをしてるのは私だけ。

私に先生の怒りの矛先が集中した。

私は立ち上がり頭を下げた。


「申し訳ございません...」


涙が出そうで蚊の鳴くような声しか出なかった。


「他に言うことあるだろ?これだけ止めておいてまだここにいる気か?!」


...あ、そういうことか。

私は先生に誘導されるまで、その答えに気づけなかった。

ほんと、バカだ。

私...大バカだ。

こんなんじゃ、釣り合わない。

風くんの隣に一生...並べない。


「すみません。外に出ます...」

「聞こえない。もっと腹から声出せ!金管なのに腹筋も鍛えてないのか?」

「すみません...」


声が出来ず、腹筋は毎日100回やってますとも、退出させて下さいとも言えないでいると、隣からガタンと音が聞こえた。

一斉に全員の視線が集まる。

そこにいたのは...


< 67 / 370 >

この作品をシェア

pagetop