青い夏の、わすれもの。
「大楽どうした?」

「オレが面倒見ます。退出させて下さい。お願いします」


さつまくん......。

私は顔を横に向けた。

彼と目が合った。

その瞳には私しか映っていなかった。


「分かった。大楽、頼むぞ」

「はい」


彼は返事をすると、私の譜面台を右手に、トランペットを左手に持ち、颯爽と音楽室から姿を消した。

私は先生にぺこりと頭を下げ、彼を見失わないよう早足で後を追った。

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