青い夏の、わすれもの。
さつまくんに背を向けると、彼はわざわざ立ち上がり、わたしの目の前までやって来た。

構わないでほしいのに、

放っておいてほしいのに、

どうして手を差し伸べるの?

自分の評価のため?

自分が大会で恥をかかないため?


......ううん、違う。

違うよ。

それはわたしが1番良く知ってる。


「さつまくんいっつもこうだよね?わたしにお願いさせる。アイスほしいからでしょ?」

「アイスなんて別にいらないけど。そっちが勝手に貢いでるだけじゃん」

「何その言い方?貢いでるなんて言わないで。そんな気更々ないし」

「あっそ」

「何、あっそって。感じ悪ぅ」

「うっさい」


結局わたしはさつまくんと無意味な話ばかりをしてその日の練習を終えてしまった。

ただ、さつまくんはわたしを見捨てたりせず一緒に職員室まで行って先生に謝ってくれた。

そのお陰でわたしは先生からあまり小言を言われずに済み、他の生徒より多少遅いくらいで昇降口までやって来た。

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