青い夏の、わすれもの。
――バシャッ!


水溜まりに車のタイヤが進入して激しく水しぶきが上がった。

けど、わたしの体はそんなに濡れなかった。

代わりに濡れたのは、わたしの腕を強引に引っ張ってわざと自分の体を道路側に向けたさつまくんだった。


「さつまくん大丈夫?」

「大丈夫。そっちは?」

「あ、うん。大っ...丈夫。ごめんね、わたしのせいだ...」

「良いって。イチイチ気にするな」

「うん...」


とは言ったものの、気にならないわけがない。

わたしっていつもそう。

自分のことしか頭になくて、周りを見れてなくて気付いた時には誰かに迷惑をかけてる。

今日はそれが2回も...。

しかもどちらもさつまくんに...。

ほんと、申し訳ない。


「で、なんかオレに言いたいことあるんじゃないの?」

「えっ?」

「さっきからなんかぼそぼそ言ってただろ?何?」

「あ、うん。えっと、それは...」


この後に及んで頼んでも良いの?

反則じゃないの?

わたしばかり助けられて、また助けを乞うなんてそんなことしていいの?

でも...このままだとスランプから抜け出せない。

それだと、最終的にはさつまくんにも迷惑がかかる。

どうせ迷惑をかけてしまうなら、早い段階で手を打った方が被害が少なくて済むのではないか。

わたしはそう考え、背中越しにさつまくんに叫んだ。


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