青い夏の、わすれもの。
「はい、ストップ」

「えっ?」


わたしの背中に冷や汗がたらーっと流れた。

もしかしてダメだったのかな?

恐る恐るさつまくんの方に視線を流すと、彼の目は...笑ってた。


「今のすごく良かった。メリハリあって迷いなく音が出てた。その調子」

「あ...ありがとう」

「お礼はまだ早い。まだ1段目だ。どんどん行かないと」

「はいっ!先輩、わたし頑張ります!」

「いや、オレ先輩じゃないけど」


なんてふざけながらもやるときはきちんとやり、わたしは徐々に抑揚のある音が出るようになった。

朝練が終わりに差し掛かる頃にはまるで別人のような演奏になり、自分でも驚いてしまった。

やはり指導者が良いんだ。

さすがさつまくんだ。

< 87 / 370 >

この作品をシェア

pagetop