秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
その反応を見る限り、彼はその事実を知らないようだ。
顔色が曇っていく拓海に私は大丈夫だよ、といった。何も大丈夫なことはないけど、口に出すことはなるべくポジティブな方がいいと思った。

椅子に腰かける。

「まぁ、そうだね。マサトが同じ階でも俺たちの生活は特に変わらないし」
「そうだよ。それよりも特番?ドラマの撮影もあるんでしょ?大丈夫そう?」

ドラマの撮影はそれなりに進んでいるようで、彼の寝室に置いてある特番ドラマの台本を目にしていたからそう訊いた。
拓海は苦い顔をしながら、そうなんだよといった。いただきますと二人で両手を合わせて食べ始める。

「美味しい!さすが沙月、何でも作れるんだ。早く奥さんになってくれないかな」
「…それは、まだ先だよ…」

伏し目がちにそういうと、彼はそんなことない、と言ってふわっと優しく笑う。

「特番ドラマのあとは?映画もあったよね」

私は甘い視線に照れ臭くなって話題を変えた。
拓海は「そうだよ」と言って少し休みたいけどね、という。私たち一般人は、労働問題が厳しくなっているのもあってしっかり休日もとれるし残業に関しても同様だ。

芸能人はそういう契約がないから過労とかで体を壊す人もいそうだと思った。
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