秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
そういえば、と思った。
携帯の待ち受けは確かに私…というか二人で撮った写真だ。
パソコンは知らなくて本当?と訊くと

「本当。見る?沙月の寝顔だよ」
「ええ?!やだやだ、何してんの!」
「だって俺の仕事って特殊だから会えない月は全然会えなかったじゃん。しょうがない」

これまでの話は半分冗談だと思っていたが本気のようで少し引きながらも「寝顔はやめて!」と釘を刺しておいた。
彼の携帯電話の中の写真フォルダは見せてくれると言われても見ないほうがいいだろうな…と思った。

「そろそろ寝る?」
「うん…ベッドに来てるしね」

彼と視線を合わせるのが急に恥ずかしくなって自分の指先を見る。
別にいやらしいことなんか少しも考えていない。全く考えていない。
でも、拓海が隣にいると”そういうこと”を意識してしまう。

「今日は…早く帰ってこれたからさぁ」
「うん…」
「しよう」

急に顔を近づけられて、耳に唇をつけてそういった。

”しよう”というのは、アレのこと?
そうなのかな、そうだよね。

いつの間にか家族みたいな関係がちゃんとした恋人になっている。
今じゃ、彼のことは”男”にしか見えない。
固まる私に「聞こえてる?」と言って耳たぶを甘噛みする。ビクッと反応すると同時に視界がぐわんと反転して背中には柔らかな感覚が広がる。

「…た、くみ…」
「沙月は常に俺を誘惑してんの。わかる?」
「し、してない…」
「あぁ、ほら。またボタン掛け違えてる」

そういって拓海の手が私のパジャマのボタンに触れる。
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