秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
電話の相手は掛けなおそうと思っていた恭介だった。ちょうどいいと思い、電話に出る。
「もしもし?恭介、どうしたの?ごめんね、掛けなおせなくて」
「いいよ。それよりも連絡先、消してなかったんだ?」
「消したと思ってたけど、まだ登録してたみたい」
そっか、と普段よりも明るい彼の声が鼓膜を揺らす。
「あー、ちょっと今度デートしない?」
「へ…」
「お台場で彼氏候補?って言ってた彼が登場したことはびっくりしたけど…あの日すごく楽しかったんだ。できればまた時間を作ってほしい」
予想外の話に私は戸惑いながらごめんね、そう言った。
着替えの最中だけど、私は寝室にある腰ほどまであるデスクに体を支えるように手をあてがう。
「えっと…その、今彼氏がいるの」
聞こえにくいが、明らかに動揺した声が漏れた。
申し訳ないと思いながら、何度も謝ることは逆に彼を傷つけることになると思った。
「そう、なんだ…残念だな。付き合ってた時よりもずっと綺麗になってた」
「そんなことない。恭介だって…かっこよくなってたし、私なんかじゃなくても彼女候補たくさんいるでしょう?」
「作ろうと思えばそうかもしれないね。でも、沙月と一緒にいるほうが落ち着くし結婚を考える歳になって君のような子がいいなって改めて思った」