恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】

「今日は兄貴家にいるんだ」
「そう…だから早く帰るね」
「わかった」

なんだ、今日の夏希君は物分かりがいいじゃないか。
車を発進させて私は助手席から外を眺めていた。今日は晴天だ。太陽の光が眩しい。

今日は夏希君の行きたいところへ行くようだ。

何分経過しただろう。車が停車したのは、水族館だった。
平日なのに人が多いのはここは最近SNSでも有名な場所だからだ。

「…水族館好きなの?夏希君」
「ん?全然」
「え?なんで…」
「桜子が好きそうだから」
「…」
「ほら、行こう」

無理やりのデートだけど、彼なりに考えてくれているのは嬉しい。
そして胸がチクチクと痛む。夏希君の気持ちにはどうしたって答えられない。
だって私が好きなのは千秋さんだから。

「水族館なんて…何年振りだろ」
「俺は多分初めて」
「え?!そうなの?」

そりゃそうだよ、と返した夏希君に君が普通じゃないんだよと心で突っ込みをして二人で館内に入った。
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