恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「体勢きつくない?」

そんなところに意識なんか向いていない。でも千秋さんはどこまでも優しくてほぼ裸の私を抱きかかえると寝室へ移動した。
そっとベッドの上に私を下ろすと彼が再度私に跨る。

千秋さんの重みを感じながらも私はすっと目を閉じた。

千秋さんの指が膣の入り口を撫でる。
今から何をされるのか理解できないわけじゃない。でも、どうしても全身に力が入る。

「桜子、力抜いて」
「…わ、わかってます」
「俺に全部任せて。痛かったら言ってね」

優しすぎるその言葉に私は頷く。
千秋さんの指の動きでわかる。ものすごく濡らしてしまっていることに。

恥ずかしさと緊張感が同時に押し寄せて枕の端をぐっと握った。
するっと入る千秋さんの指を感じてきつく目を閉じる。

「…っぁ、」

優しく、とても優しく動く指に合わせて自然と声が漏れ出る。
痛みはないけど、知らない感覚に気持ちよさよりも困惑のほうが勝った。
千秋さんがそんな私の顔を覗き込みながら指を動かす。

顔なんて見ないでほしい。

「…あ、…や、…」
「気持ちいい?」

未知の感覚から次第に快楽へ変化する。
それは大きくうねる波のように一気にくる。
ぐちゃぐちゃと水音が響き、先ほどとは別の力が全身に入る。
あ、これは知ってる。前も―…千秋さんの舌で。

その瞬間、快楽が一気に私の脳を破壊する。
パクパクと金魚のように口を開けて目尻に涙が浮かぶ。
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