恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
千秋さんの車に揺られながら、どう挨拶をしようとか、おそらく彼のご両親は私を認めていないことからどうやって説得しようかとかそんなことばかり考えていた。

窓の外を見ていてもそればかり考えてしまって自然にため息が漏れる。千秋さんとどうしても一緒にいたい、これからも一緒に彼と生きていきたい。
だから、彼の両親に認めてもらいたい、そう思うのは自然なことだ。

「もうそろそろだよ」

そう言われ、すっと背筋を伸ばし、シートベルトを強く握る。

「え?!ここ?!」
「うん。そう」

車がゆっくりとスピードを落としていく。正面に見える門構えに吃驚して千秋さんを見る。何?という彼に顔の筋肉が強張っていく。

重厚感のある門に圧倒され、口を半開きにして固まる私をよそに千秋さんの車が近づくと、自動でその門が開いた。
視線を上げるとどうやら監視カメラのようなものが見えた。

伝統的な日本を象徴するような家に心音が速くなる。

ゆっくりと車が進む。侘び寂を感じるこの家は家と呼ぶには物足りなさを感じる。とんでもないお金持ちなのだと一目でわかるここに、やはりわたしが足を踏み入れることが躊躇われる。

「こんな…ところに住んでい、いらっしゃたのね?」
「どうしたの。急に」

口調もおかしくなってしまうほど、私は動揺していたし軽くパニックになっていた。
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