恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「その反応じゃそうなのね、やっぱり」
「ち、ちがう…」
「そうですか。まぁでもこの写真を千秋さんのご両親に見せて契約結婚だと疑っていることを伝えますね」
「…え、」
「そうしたらなんていうでしょうね。千秋さんとあなたのことは認めてくれないだろうし…勘当されるかもしれません」
「…」

勝ち誇ったように笑う雪乃さんに私は何も言い返せなかった。

もし、契約結婚の話を聞いたら…
恐らくは私たちの結婚に反対するだろう。せっかく仲良くなったのに千秋さんは認めてくれないなら絶縁する、と言いかねない。
今いくら愛し合っているとはいえ、契約結婚だったことは事実だ。信じてもらえるだろうか。

「望みは、なんですか」
「そうねぇ。千秋さんと別れてくれない?私は千秋さんのご両親とずっと仲良くさせてもらっていました。彼に相応しいのは私です」

ハッキリとそう言った彼女の言葉は嘘ではないのだろう。
私よりもずっと朝宮家と関わってきた。

「では、それだけですので。できれば今月中には離れてくれると助かります。ハーブティーありがとうございました」

そう言って立ち上がる雪乃さんを見送ることもできずにじっとテーブルの上に残されたティーカップを見つめていた。
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