恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
♢♢♢

「桜子、どうしたの。調子悪いの?」

心配そうな表情の千秋さんが私の顔を覗き込む。
ソファでお酒を飲む千秋さんに私は首を振って笑った。今日雪乃さんが家を訪ねてきたことは言っていない。

言ったらきっとこういうからだ。

”別にいいよ。親がそれで認めないなら絶縁する”

千秋さんはそういう人だ。私を一番に考えてくれて、とてもやさしい。
でも、また彼の家族がバラバラになることだけは避けたかった。
契約結婚をして私たちは夫婦になって、そして今は彼を本当に愛している。
だからこそ、迷ってしまう。

私の選択次第では、彼らの幸せを壊してしまうだろう。



「大丈夫です。ちょっと風邪ひいたみたいで」
「そうなの?ならもう寝ないと。熱は?」

そう言って私の額に手を当てる彼に小さく笑って見せる。
この手が愛おしくて離したくない。

どうしたらいいのか、わからない。

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