恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
私はパーカーの袖を引っ張ってそれで目から出てくる嫌いなものをぬぐった。

「な、泣かないで~もう~私も泣いちゃうよ」
「葉月は泣かないでよ~」
「だってこんなことって…」

3週間前、仕事を探している最中に突然連絡が来た。
それはいわゆる消費者金融からでそれだけじゃなくてグレーゾーンの一般的な消費者金融から借りられない人がいくような個人的に金貸し業を営んでいるような会社からも連絡が来たのだ。

母親が失踪して多額の借金の返済を放棄していること、連帯保証人に私の名前があったことなどを説明された。
総額は延滞金も含めると1千万は超える。

幼少期から迷惑をかけられてきたとはいえ、怒りを通り越してもう何の感情もなかった。

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