恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
そんな甘い言葉を囁かれて断れる女性がこの世にいるのだろうか。
でもキスすらしたことのない私は心臓がはち切れそうなほど緊張していた。
ゆっくりと顔を近づける千秋さんに私はギュッときつく目を閉じた。

「…っ」

唇が重なって、私の頭の中はパニックになっていた。
唇ってこんなに柔らかいの?!しかも何この感覚…酔っていないのにまるで酔っているようなフワフワとした感覚にどうしていいのかわからず固まる。

「ね、そんなキスじゃなくて」
「…は、い、」
「もっと深いのしようよ」
「え…無理です」
「ふふ、真っ赤だね顔」

千秋さんは優しく笑ってそういった。
深いのって何。これで十分だよ。もうファーストキスは千秋さんにあげたのだからこれで終わってほしい。千秋さんの妖艶な目が私を映していた。

千秋さんの手が頬を撫でながら

「教えてあげるから、ね?」
「…」

そう言って千秋さんはそっと唇をなぞり、そこに先ほどと同じように唇を重ねた。

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