恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
”教えてあげる”
そんな言葉をあんな色気のある表情で言うなんて相当手慣れてやがる。
と思ったのも束の間、

「口開けて、」
「っ…!!」

指示された通り少しだけ開けた唇に入り込んできた舌にびっくりして思わずやめてほしいという意味を込めて千秋さんの胸に手を押し当てた。

でも、その手を片方の手でまるで”邪魔”とでもいうように握り返されて

「…ぅ、…ふ…はぁ、」

どんどん私の舌を弄ぶ。
ダメだ、こんなの知らないしこんなの想像と違う。
顔がとても熱く感じてしまって、熱が出たと本気で思った。

知らないよ、こんなの知らない。

千秋さんは顔を傾けて更に激しいキスを繰り返す。
呼吸が苦しい。

甘い声が勝手に口から零れて、恥ずかしさでどうにかなりそうだった。
何なの、何なの。やめてほしくて、顔を背けようとするのに彼の手がそうしてくれない。

私が私じゃなくなる、そう思った。
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