恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「何でですか…」
「ん、わかんない?」


いつもとはやっぱり雰囲気が違う。
優しい口調だし笑顔も見せてくれるのに、どこかそれは乾いていて冷たい。

…私、嫌われたのだろうか。

不安がよぎった。別に嫌われたってこの関係が終わるわけではない。
なのに、嫌われたくはないなと思った。


「わ、」

千秋さんが私の両手首をつかんで、覆いかぶさってきた。
心臓がバクバク音を立て、この状況にパニックになる。

千秋さんが顔を近づけてきた。

「わかんないか…そっか」
「…」
「桜子がいるからだよ」
「わ…たし?」

微かにお酒の香りがして、もしかして酔っているのでは、そう思ったのだけれどあの程度のお酒じゃ千秋さんは酔わない。

…じゃあ、なんでこんなこと。

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