秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
ふと目が覚めると雅臣さんは隣で眠っていた。

どのくらい寝てしまったのだろう。
さっきまで明るかったのに外は暗くなりつつある。

私が少し動くと雅臣さんの手は私の身体を離さないと言わんばかりにギュッと抱き寄せてきた。

裸で抱き合っていて恥ずかしいけど、でも雅臣さんと直接触れ合っているのは気持ちいい。
幸せ。

夏休み前まではこんな幸せがあるとは思ってもみなかった。

雅臣さんに振られたら立ち直れないだろう。

ずっと私のそばにいてくれるって言ってたけどあまり期待してはいけないな。
期待して辛くなるのは自分。
雅臣さんの寝顔を見ているだけで幸せな気分に浸れた。

しばらくすると雅臣さんも目を覚ました。
薄暗い中でもしっかりとお互いの表情が見えてしまい恥ずかしい。

「真帆。身体辛くない?」

「大丈夫…。」

「ちょっと待ってて。飲み物とってくるよ。」

雅臣さんはさっと着替えキッチンへ行った。
私もベッドの周りに落ちていた洋服を集め、着替えをしていると雅臣さんは戻ってきた。

「はい、どうぞ。」

冷たいアイスティーが乾いた喉を潤していく。
雅臣さんも一緒にベットに座りアイスティーを飲み干す。

昼間からこんなことしてて恥ずかしい…
雅臣さんの顔が見れない。
でも求められることがうれしかった。

飲み終わると2人でリビングへ行き、荷物を整えるとまた私の部屋へ向かった。
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