キミを描きたくて
「私のせい」
目が覚める。
汗をびっしょりとかいていて、気持ち悪い。
シャワーを、浴びよう。
そして少し整理しよう。
寝ぼけた頭で必死に風呂場へ向かう。
…樹は、自分が行かなきゃならないことを知っていた。
"1人養えるくらいになるまで"。
その1人とは、誰なんだろう?
兄の愛する人?恋人?それとも、友達?
私なわけ、ないよね…。
「あたまいたい…」
シャワーから出る生ぬるい水を浴びながら、頭痛に耐える。
きっと脱水にでもなってるのだろう。
…それにしても、大して暑くないのに、悪夢を見るだけでこんなに汗をかくのか。
この前の夢は、幸せだったけど…
そういえば、なんで夢を見たいと思ったんだっけ。
そんなことすら思い出せない。
…まあ、いいか。
「うー…」
お湯を出したまま、風呂椅子に座り込む。
早く出て、水を飲もう。
サッと体を流して、風呂を出る。
ぽたぽたと水を垂らしながら、冷蔵庫からペットボトルを出して一気飲み。
食道から何もかも、冷えていく感覚がする。
「なんか、疲れたな…」
気晴らしに、散歩でもしようかな。