キミを描きたくて
「俺以外の連絡先なんている?」

「い、いりますよ...隼人くんには、絵を描くのを手伝ってもらってるんですから」

「...は?」

「文化祭に出す人物画、手伝ってもらってるんです」



何で?なんてぽかんとした顔をする会長。
しかしその表情は段々と険しくなる。

眉間に皺を寄せ私を睨む。
目力で人を殺そうとしているようにしか見えない...

朝から引き続きの不機嫌。

でも理由を言ってくれないから、分からない。



「なんで?」

「な、なんでって」

「...俺は?」

「断ったじゃないですか」



はぁ、とあからさまにため息を着く。
お腹がすいた。持ってきたお弁当を食べたい。

けどそんなことをする勇気は私には無い。
特に、この空気感で。



「だからって他の男に頼む?」

「ほ、ほかの男って...」

「男でしょ?ハヤトクンはさ」



どんな関係なの?なんて今度は机に肘を着く。



「わ、私が使ってるアトリエの...人で...」

「へぇ、アトリエね」



だからか...なんて呟く。
え?と聞き返すと、なんでもないと冷たく言った。
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