愛は愛より愛し

その為のねぎ。想像しただけで空腹が強まる。

いや、待って。

「ちょっと、恭子」
「良いんですか? その荷物持ちますね」
「やったー! ありがとうございます! ぞれちゃんには言っとくね」
「恭子!」

スマホを出した恭子の腕ごと攫い、世名に背中を向けて少し離れた。

声を潜ませる。

「なに言ってるの」
「だってまだお礼してなくない?」
「ライターのお礼はしたの! 一緒に昼ご飯行ったんだから」
「え、わたしを助けてくれたお礼だよ」

そう言われて、我に返った。
た、確かにそのお礼はしていない。

恭子が私の方へ肩を寄せる。

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