愛は愛より愛し
てゆーかあ、とニヨニヨと口元を緩ませた。
嫌な予感しかしない。その口から吐かれる言葉は。
「一緒にご飯食べる仲なの?」
「その口縫う前に閉じなさい……」
「さ! 世名さん帰りましょ!」
縫われる前にくるりと振り向いた恭子が世名に話しかける。何も聞いていないような顔で、世名が「はい」と返事をした。
私の意見が、ひとつも、通っていない。
歩き出した世名が振り向き、微笑む。
「帰りましょう、閑野さん」
なにルンルンした声を出してるんだ、と頭を抱える。29歳、恐るべし。


