愛は愛より愛し

スーツを着ているからまだ社会人に見えるものの、大学生だと言われても疑わない。
年下だと、普通に思っていた……。

世名が変人なのは置いといて、ちょっと失礼なことを言い過ぎている気もする。世名が変人な所為もあるけれど。

大きなショックを受けていた私を見て、世名は笑っていた。

「あの人から貰ったの? セナさん」
「ん……今日誕生日なんだって」
「え、なんで誕生日なのにくれたの?」

私も同じことを思った。リボンを解く。
ぱか、と箱を開けば、金属の青い塊。

「わ、綺麗」

霙の感想を聞き、私はぱかと箱を閉じた。

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