【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「わたしたちは、このまま年を取らないわよね」
「ああ、まあそうだな」

 眷属神であるヴォルフも、彼の眷属となったわたしも、いつか消滅の時が来るまで年老いることはない。

「でも、子供たちは変わっていくでしょう?」
「たしかに成獣になって成長が止まるまでは、見た目が変化する」
「だから、子供たちの『記念』にしたいの。こんな小さいころがあったんだって思い出して、みんなでまた笑顔になりたいな」

 わたしなんかよりずっと長い時間を生きているせいか、ヴォルフは人の変化にそれほど興味がないようだった。それでも、わたしの希望は受け入れてくれた。

 それからわたしたちは毎年、決まった時期に絵を描いてもらうようになった。描いてくれるのは、いつも同じ街の、あの画家のおじさんだ。
 家族の絆を感じられるようなあたたかい絵画が、我が家の壁面に増えていく。
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