❀洋服屋―――future―――❀
緑はパッと目を覚ますと、天井を見つめていた。

彼女は一瞬、ぼーっとしていたが、勢いよく起き上がった。

神中緑は野村翔希とキスしてしまった。

そんな夢を見てしまった後、甘い雰囲気が漂って来た。


―――き・・・キス・・・

心地よかった・・・

受け入れてしまった・・・


この気持ちは―――。


―――この気持ち


そんな事を考えていたら、彼女は奈津がコンコン、と戸を叩き、勢いよく入ってきた。


「お姉ちゃん・・・もう起きないと・・・お店の時間に・・・間に合わなくなるよ・・・」


緑ははっと我に返ると、只今の時刻―――07:30だった。

大体、八時には到着しないと、始業時間に間に合わなくなる。

急いで荷造りを準備し、出掛けようとした。


―――朝ごはんくらい・・・

食べていきなさい・・・


父親はそう言って来た。


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