その海は、どこまでも碧かった。

「海」



呼ばれて振り返ったら

碧くんはパソコンじゃなくて私を見てた



「ん?」



今日初めて碧くんと目が合った



「海、不安?」



「なんで…?」



「声が、不安そうだった」



「そぉかな?」



「不安そうな顔してんじゃん

海は、どおしたいの?
彼氏に言ってみたら?
不安なことも、これからどぉしたいかも…」



「うん…不安だったかも…」



不安な時

碧くんと手を繋ぐと落ち着く



いつもそんな時

碧くんが隣にいて

ギュッて手を握ってくれたから



「碧くん、手、繋いでよ」



「だから…
海には彼氏いるじゃん」



碧くんともぉ手を繋げないなんて

もっと不安になる



「碧くんは?
碧くんは、私がいなくても平気?」



「うん…平気だよ」



ハッキリ言われた



あの人がいるから?



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