その海は、どこまでも碧かった。
碧くんに伸ばしかけた手の力が抜けた
目が熱くなったけど
その手を上まで持っていく気力もなかった
碧くん…
「海、手、貸して…」
碧くんが私の力ない手を拾ってくれた
「『不安』て手のひらに書いてある」
碧くんはそう言って
私の手のひらに
『幸せ』
碧くんの長い指で書いてくれた
「これで大丈夫じゃね?
不安になったらギュッて握って
…
海は、幸せだよ」
「うん
ありがと、碧くん」