愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
「ゴーヤ?」

「綾乃ちゃんに聞きました」

『お兄ちゃんにムカつく時は、ゴーヤだらけの料理を作ってあげるといいわ!』
 離婚を心配して綾乃ちゃんが電話をくれた。
 綾乃ちゃんは私の気持ちを尊重したいけれど、できれば一度だけチャンスをあげてほしいとも言っていた。
『兄はああ見えて根は優しいんです。わかりにくいですけど』

「綾乃のやつめ。でも最近はゴーヤだけだぞ」

「そういえばセロリは食べていましたね」

「あはは。セロリは大人になって克服したよ」

 くすくすと笑い合った。
 目を細めて白い歯を見せて笑う綾星さんはちょっと眩しい。

「外国人ばっかりだなぁ」

「そうですね」

 時折見かけるハイカーはみなトレッキング慣れしているような外国人ばかりだ。日本人は宿場でしか見かけない。私も以前来た時は宿場だけを散策して帰った。

 それにしても、綾星さんは何を着ても似合う。

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