愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
 ジャケットとデニムのパンツという普通の格好だけれど、体格のいい白人さんたちの中にいても引けを取っていない。一八〇センチを超える身長も長い足も、整った顔立ちもやっぱり目立っている。

 とか思っていると、「みんな星光を見てるなぁ」と彼が言う。

「美人でスタイルもいいから、山でも君は目立つな」

「私じゃなくて綾星さんを見ているんですよ」
 と、思ったら近くにいた男性にウインクされた。

 さあさあ、こっちにおいでと肩を抱く綾星さんは、まるで私の恋人のよう。
 というか、夫なんだけれど。


 途中の立場茶屋でひとやすみ。

 ボトルを取り出して水を飲む。風は涼しいけれど、歩いて体が火照っているから冷えた水がおいしい。

「甘い物がほしいよな」

 彼はリックから箱を取り出した。

「オランジェットは好きだろう?」

 え? 覚えていたの?

「凍らせておいたから、ちょうどいいな」

 スティックタイプのオランジェットは私も時々買う有名店のもの。

「ありがとう」

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