愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
「綾星さんがあのお店にプレゼントしたものとは、どう違うんですか?」

「昼間のあれはWi-Fiさえあれば、使えるんだ」

 もしかして難しい話なのかしらと思ったけれど。綾星さんは難しい話はしなかった。

「うちの製品は多言語対応だし精度も高いが、月々使用料もかかるから小さな店では敬遠されてしまうんだ。数千円とはいえ毎月となると考えてしまうんだろう」

 なんとなくわかる気もする。

「お店の方とても喜んでくださいましたね」

「ああ、よかったよ。片言の単語でも意味は通じるだろうし」

 あのときの綾星さんはとても素敵だった。
 GoJの名前も出さず、純粋な親切心で他社製品を渡していた彼はいい人なのねと思った。

 店のおばちゃん達もお兄さんかっこいいねぇ、と喜んでいたし、私も鼻が高かった。

「あの五平餅おいしかったなぁ」

「ええ、とっても」

 昼間そんな出来事があったせいか、とても気分が良くてついついお酒もすすむ。
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