愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
 伯父伯母が仕事をしないのはまだわかるが、美々子は働きに出ようという意思すらない。
 普通に暮らす分には十分だろうが、以前のような生活レベルを保つのは無理だというのに、それがわかっていないのか。

「やっぱりここのフォアグラはおいしいわねぇ」

「でもママ、この前行ったお店もとってもおいしかったのよね。ねぇ、綾星お兄ちゃん、今度一緒に行きましょうよ。あら、どうしたの? 食べないの?」

「あんな写真のことなんか気にせず食べなさい」

 食欲どころか、呆れて口も開けないのが、彼らにはわからないらしい。

 驚くことに美々子は新婚旅行の話まで始めた。

「私はモルディブがいい。沈んでしまったら行けないもの。結婚式も向こうでやって。ねぇ綾星お兄ちゃん?」

「あら、それもいいわねぇ」

 全てが見えた気がした。

 俺はずっと美々子に星光の話を聞かされていた。パーティで彼女を見かける度に、彼女がどんな悪い子かと美々子は言っていたのである。

 時には涙を浮かべていじめられたと訴えた。

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