愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
 たまたま星光に土下座をしたという女の子、氷室いわく猿山のボスが俺のクラスに転校してきて、彼女も星光の悪女ぶりを吹聴していた。

 それが嘘だと気づく機会もなかった。言ってる彼女たちの人格を考えれば、鵜呑みするほうが間抜けだったのに、俺は何も考えなかった。

 そんな風にして、いつの間にか俺の中で星光は悪女になっていたんだ。


「綾星、どうかしたのか?」

「わかりました。そういうことだったんですね」
 俺はまんまと悪意の噂に操られていた。

「おお、わかってくれたかい。よかったよかった」

「星光とは離婚しません」

 三人の動きがぴたりと止まる。

「え? 何だって?」

「そもそも誤解があるようですが、美々子との結婚など一度も考えたことはありませんし、今後も考えられません。太陽が西から上がっても、ありえない」

 軽蔑を込めた目で美々子を振り向くと、美々子は意味がわからないのか、ポカンと口を開けている。

「お前は恥を知らないのか? あることないこと嘘を並べて人を陥れて、最低だな。少しは働くことを考えたらどうだ」
 親がいるのも気にせずはっきりと言った。

「なんですかっ! 綾星さん失礼ですよ」

 伯母がいきり立つ。

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