愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
その日の夜、綾星さんは七時半に迎えに来た。
父は不在だったし、兄は私を送り届けた後そのまま出掛けてしまったので、夕食はふたりで取った。
そして私は、綾星さんとマンションに帰った。
移動中彼は、ひとつひとつを丁寧に説明してくれた。
美々子が私の後を付けているのを知った彼が、氷室さんの警備会社に私のボディーガードを頼んだという出来事からひとつずつ。
今日、美々子は横断歩道を渡る私に後ろから声を掛けナイフで刺すつもりだったそうだ。
結局私は綾星さんに気を取られて振り向かなかったけれど。
本人曰く、ちょっと脅すだけのつもりだったらしい。
止めようとして彼女に抱きついた伯母に刺さってしまった。
傷口は浅いので心配ないが、警察で事情を聞かれた美々子は興奮状態で手が付けられず、そのまま病院に入院したという。
「伯父が君に直接謝らせてほしいと言ってきたが俺が断った。伯父は今更のように反省していたよ。ずっと甘やかしてきたツケが回ってきたってね」