一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
ひとりで悩んで辛そうな顔をする彼女を見ると胸が痛くなる。
雪乃の同級生について調べる必要があるな。
「もっとギュッとしてもらっていい?」
俺の胸に頬を寄せる彼女に甘く返した。
「お願いなんてしなくていい。俺もギュッとしたいから」
腕に力を入れると、雪乃も俺の背中に腕を回した。
布越しに伝わる互いの体温。
その温もりにホッとする。
今彼女は俺の腕の中にいる。
このままずっと閉じ込めておけたらいいのにな。
もちろん、実際にはそんなことはできない。
だが、俺の中に彼女がいなくなるんじゃないかって不安は常にあるから、ずっと彼女といたいって思いが強くなる。
前に見た夢のせいだ。
それが現実になるかもしれない。
ただの夢だと思えないのは、彼女が俺に隠し事をしているから。
もっと彼女に触れて安心したい。
そう思った時、雪乃が囁くような小さい声で言った。
「怜……抱いてほしい」
返事をする代わりに彼女を抱き上げて寝室のベッドに運ぶと、俺もベッドに上がった。
雪乃の頭を掴んでその柔らかい唇を奪うと、彼女も応えたのでキスを深めた。

< 121 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop