昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
そんな前じゃないのにね、と笑う雨夜くん。
うなずきながら、わたしも思う。
本当だ。不思議だね。
だってもし、わたしが悩んだ末に、最初の返信を書かずにいたら。
文化祭の日、雨夜くんが教室にわたしを見つけてくれなかったら。
なにかひとつでも行動が欠けていたら……わたしたちは今ごろ、ここにはいなかった。
交換日記をしていたとき、こんなやり取りをしたね、とか。初めて図書室で会うときは緊張した、とか。
わたしたちは海を前に、他愛ない思い出話に花を咲かせた。
そしてそのあと、雨夜くんはもうひとつ、素敵な話を聞かせてくれた。
「……この海ね。藪内さんが、奥さんにプロポーズした場所なんだって」
「えっ!」
夜間生の年配者である、親切な藪内さん。
顔も知らないのに、思わずドキッとしてしまう。
「そうなんだ……!素敵だね……!」