昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
海を背景に、結婚してくださいって、なんてロマンチックなんだろう。
わたしがほう、とため息混じりに言ったら、雨夜くんは口元をゆるめて同意して。
それから視線を海に投げて、まばゆそうに目を細めながら続けた。
「藪内さんね。この人のことをまるごと受け止めたい……って。そう、思ったんだって」
「まるごと……」
「好きって、ときめくとか色々あるけど。本当の好きは……そういうことなのかもしれないね」
まあよくわからないけど、と笑う雨夜くん。
心の鈴が、リンと鳴った気がした。
先ほどの言葉がリフレインして、わたしの中に馴染んでいく。
本当の好きは、ときめきだけで測るものじゃなくて。かっこいい、可愛い部分だけを見るんじゃなくて。
この人を、まるごと受け止めたいと思うこと――。
「きゃ……っ!」
その瞬間、対面から吹き込んだ強い海風。
前髪までがぶわっと舞い上がり、おでこも耳も、何もかもが丸出しになる。
あわてて前髪をおさえたとき、数寸のズレなく、雨夜くんと目が合った。
「……隠さないでいいのに」