昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
帰りの電車では、なんだか泣きそうだった。
愛おしくて泣きそうだなんて、こんなこと今まで経験したことがない。
座席は行きと同じで、左右の外窓を背にして座る長いベンチタイプ。
隣り合って座るわたしたちの右手と左手の甲は、軽く触れ合っていて。
きっと雨夜くんも気づいていたのに、互いにそのままにしていた。
この時間が終わってほしくないと思った。
こんなにも世界は美しい。
ただひたすらキラキラしていて、暗さや濁りは一点もない。
きっとこのまま、綺麗なものだけを見て進んでいける。
もう過去にとらわれたりしない。黒い感情に、悩んだりしない。
もう、二度と。絶対に。
……だから。
だからこのとき、わたしは思ってもみなかった。
今見えている世界とは真逆の、暗く汚い気持ちがうず巻くなんて。
一瞬で過去に連れ戻されるなんて。
今までとは比べものにならない最悪な出来事が……もうすぐそこに、迫っているなんて。