君は残酷な幸福を乞う
琉軌が中学校に入学した頃、暴走族のチームを作り総長としてまずチームを大きくすることから始めた。
琉軌の賢さと力の強さで、約三年で最大勢力を誇るチームに上り詰めたのだ。

高校生になると、琉軌はある仕事を始める。
事故や自殺などに見せかけて、相手を殺す。
殺し屋のような仕事だ。

でも実際手をかけるのは、自分ではない。
言葉巧みに誘導して、他人に殺させるのだ。

そんなことを続けていると、裏の世界で琉軌の存在がどんどん有名になっていき、色んな大物政治家等から依頼が来るようになった。

そうなれば、もう…琉軌の思うつぼだ。
色んな大物政治家等の弱みを握り、裏から動かすのだ。
そして琉軌が成人する頃には、裏の世界で王様のように全てを動かせるようになっていた。


「お願い何でも叶えてくれるんでしょ?
琉軌と家族になりたいの!」
「うん、でもね…夫婦になることと別れることは受け入れられないよ。
その他のお願いは、何でも叶えてあげるよ。
夫婦にならなくても、一生一緒にいられるよ?」

小さな頃から“家族”に憧れていた若葉。
琉軌と“家族”になりたいと思っていた。

琉軌の傍にいつもいた若葉。
二人が心を通わせ、お互いになくてはならない存在になるのに、時間はかからなかった。

だからこそ、若葉は琉軌と家族になりたかった。

「ごめんね…
でももう…その話はなしね!
今度言ったら、お仕置きするよ?」
琉軌はいつも残酷に若葉の心を奪い、若葉の一番欲しいものを与えない。
しかし自分はけっして若葉を放すことなく囲うのだ。
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