すべてが始まる夜に
「今からちょうど乗れるみたいだな。その前にお茶買ってくるからこれ持って待ってて」
「あっ、お茶なら私が買いま……」
私の返事も聞かず、部長は自分のスーツケースを私の前に置いて、さっさとお茶を買いに行ってしまった。
もう、旅行代だって払ってないのに……。
せめて私にお茶くらい買わせてくれたらいいのにな。
昨日の夜、ごはんを食べ終わって片づけが済んだあと、私はお金の入った封筒をテーブルの上に置き、部長の前に差し出した。
「悠くん、これ旅行代です。足りるかどうかわからないけど、受け取って」
封筒の中には5万円ほど入れてある。
旅行代を払おうと思い、いくらかかるのか部長に聞いてみたけれど、「そんなのは気にしなくていい」と言われ、全く教えてくれなかった。
どこに泊まるのかはまだ聞いていないけれど、明日は土曜日でしかもクリスマスイブの温泉宿だ。
きっと通常の値段より2倍とまではいかないにしても、かなり高い金額のはずだ。それに新幹線代だってある。
「悠くん、この間の福岡のホテルだって出してもらったでしょ。だから今回は私も出すから。お願い、受け取って」
受け取ろうとしない部長に、さらに封筒を近づける。
「いらないっていっただろ」
「だって、悠くんに出してもらってばっかりでしょ。福岡の屋台も出してもらったし、カフェでも出してもらったんだよ。それに今回はクリスマスイブだからすごく高いだろうし」
部長は封筒を私の目の前に返すと、両手を組んで私を見つめた。
「あっ、お茶なら私が買いま……」
私の返事も聞かず、部長は自分のスーツケースを私の前に置いて、さっさとお茶を買いに行ってしまった。
もう、旅行代だって払ってないのに……。
せめて私にお茶くらい買わせてくれたらいいのにな。
昨日の夜、ごはんを食べ終わって片づけが済んだあと、私はお金の入った封筒をテーブルの上に置き、部長の前に差し出した。
「悠くん、これ旅行代です。足りるかどうかわからないけど、受け取って」
封筒の中には5万円ほど入れてある。
旅行代を払おうと思い、いくらかかるのか部長に聞いてみたけれど、「そんなのは気にしなくていい」と言われ、全く教えてくれなかった。
どこに泊まるのかはまだ聞いていないけれど、明日は土曜日でしかもクリスマスイブの温泉宿だ。
きっと通常の値段より2倍とまではいかないにしても、かなり高い金額のはずだ。それに新幹線代だってある。
「悠くん、この間の福岡のホテルだって出してもらったでしょ。だから今回は私も出すから。お願い、受け取って」
受け取ろうとしない部長に、さらに封筒を近づける。
「いらないっていっただろ」
「だって、悠くんに出してもらってばっかりでしょ。福岡の屋台も出してもらったし、カフェでも出してもらったんだよ。それに今回はクリスマスイブだからすごく高いだろうし」
部長は封筒を私の目の前に返すと、両手を組んで私を見つめた。