すべてが始まる夜に
「お前はほんとに……」
身動きができないくらいに強く強く抱きしめられる。
いったい急にどうしたんだろう。
「悠、くん?」
腕の中から名前を呼んでも、部長は私を強く抱きしめたまま何も答えてくれない。
「ねぇ、悠くん……、どう、したの?」
「俺も……好きだ……。ぜーんぶ」
そう言ってまた強く抱きしめる。
「悠くんも? 私もぜーんぶ好き。こんなに素敵なお部屋だもんね」
部長は腕を解くと海辺で見たのと同じような、どこか切なそうで悲しそうな表情で私を見た。
「茉里、一番上に海が一望できるテラスがあるらしいんだ。ほんとは夜に行きたいところだけど、12月だしかなり寒いだろ? 湯冷めして風邪ひいてもいけないしな。だから今から行ってみないか?」
「うん、行ってみたい」
部屋を出てエレベーターに乗り、最上階まで行くと、そこにはまた絵葉書のような美しい景色が広がっていた
「わぁー、わぁー、こんなの見たことない……」
見渡す限りはるか遠くにまで海が広がり、少し冷たい海風が頬を撫でていく。
眼下には木々が生い茂り、建物も見え、高台に上って来たんだなということを実感させられる。
「茉里、そこの椅子に座ってて。飲み物持ってくる」
部長はそう言うと、また建物の中へと入っていった。
部長の後ろ姿を見届けてから周りに目をやると、今日はクリスマスイブのせいか、何組かのカップルが距離を狭めて席に座り、景色を見ながら飲み物を飲んでいる。
私たちもあんな風に見えてるのかな?
恋人同士に見えてたらいいな。
少しして、部長がカップに入ったコーヒーを2つ持ってきて、私の隣に座った。
身動きができないくらいに強く強く抱きしめられる。
いったい急にどうしたんだろう。
「悠、くん?」
腕の中から名前を呼んでも、部長は私を強く抱きしめたまま何も答えてくれない。
「ねぇ、悠くん……、どう、したの?」
「俺も……好きだ……。ぜーんぶ」
そう言ってまた強く抱きしめる。
「悠くんも? 私もぜーんぶ好き。こんなに素敵なお部屋だもんね」
部長は腕を解くと海辺で見たのと同じような、どこか切なそうで悲しそうな表情で私を見た。
「茉里、一番上に海が一望できるテラスがあるらしいんだ。ほんとは夜に行きたいところだけど、12月だしかなり寒いだろ? 湯冷めして風邪ひいてもいけないしな。だから今から行ってみないか?」
「うん、行ってみたい」
部屋を出てエレベーターに乗り、最上階まで行くと、そこにはまた絵葉書のような美しい景色が広がっていた
「わぁー、わぁー、こんなの見たことない……」
見渡す限りはるか遠くにまで海が広がり、少し冷たい海風が頬を撫でていく。
眼下には木々が生い茂り、建物も見え、高台に上って来たんだなということを実感させられる。
「茉里、そこの椅子に座ってて。飲み物持ってくる」
部長はそう言うと、また建物の中へと入っていった。
部長の後ろ姿を見届けてから周りに目をやると、今日はクリスマスイブのせいか、何組かのカップルが距離を狭めて席に座り、景色を見ながら飲み物を飲んでいる。
私たちもあんな風に見えてるのかな?
恋人同士に見えてたらいいな。
少しして、部長がカップに入ったコーヒーを2つ持ってきて、私の隣に座った。