すべてが始まる夜に
結局ベッドの上で3回目が行われ、旅館を出たのはチェックアウトギリギリの時間だった。
行きと同様に帰りも熱海駅まで車で送ってもらい、駅に到着したのは11時をとっくに過ぎていた。
「茉里ごめん。この時間だとハーブガーデンは無理そうだな」
コインロッカーにスーツケースを入れている部長に向けて、じろっと睨みながら頬を膨らます。
「そんな顔するなよ。茉里が俺に火をつけたんだから仕方ないだろ。ハーブガーデンは次にしよう。今度は車で来ような」
車と聞いて、部長と一緒にドライブできるのかと思い、少し頬が緩んでくる。
バタン──とロッカーを閉めて鍵をかけた部長は、私の手を取り、しっかりと指を絡ませて手を繋いできた。
「ほんと?」
「ああ、次はドライブしながら一緒に来よう。だから今日は商店街だけで許してくれるか?」
次はドライブしながら来れるというのであれば、今日は残念だけど仕方がない。
それにしても、出発前に3回目なんかしなければハーブガーデンに行けたはずなのに。
それにもうひとつ──。
部長はまた大きな赤い痕を、しかも2つも、首筋のよく見えるところにしっかりとつけてきた。
こんな誰にでも見えるところにつけるなんていったいどういうつもりなんだろう。
明日は会社だというのに、こんなにくっきりとわかる場所につけるなんて……。
今はコートの襟を立てて、髪の毛を首に巻きつけるようにしてどうにか隠しているけれど、油断をするとすぐに見えてしまう。
行きと同様に帰りも熱海駅まで車で送ってもらい、駅に到着したのは11時をとっくに過ぎていた。
「茉里ごめん。この時間だとハーブガーデンは無理そうだな」
コインロッカーにスーツケースを入れている部長に向けて、じろっと睨みながら頬を膨らます。
「そんな顔するなよ。茉里が俺に火をつけたんだから仕方ないだろ。ハーブガーデンは次にしよう。今度は車で来ような」
車と聞いて、部長と一緒にドライブできるのかと思い、少し頬が緩んでくる。
バタン──とロッカーを閉めて鍵をかけた部長は、私の手を取り、しっかりと指を絡ませて手を繋いできた。
「ほんと?」
「ああ、次はドライブしながら一緒に来よう。だから今日は商店街だけで許してくれるか?」
次はドライブしながら来れるというのであれば、今日は残念だけど仕方がない。
それにしても、出発前に3回目なんかしなければハーブガーデンに行けたはずなのに。
それにもうひとつ──。
部長はまた大きな赤い痕を、しかも2つも、首筋のよく見えるところにしっかりとつけてきた。
こんな誰にでも見えるところにつけるなんていったいどういうつもりなんだろう。
明日は会社だというのに、こんなにくっきりとわかる場所につけるなんて……。
今はコートの襟を立てて、髪の毛を首に巻きつけるようにしてどうにか隠しているけれど、油断をするとすぐに見えてしまう。