愛しの鳥籠〜籠のカギ篇〜
「遠慮は要らないから、上がって。突き当たりがリビングだから、まずそこでお茶にしよう。喉渇いたでしょ?」
「う、ん。お邪魔…します」
背の高いユキとのバランスを考えて履いたヒールの高い靴をぎこちない動作で脱ぎ、用意されていたピンクのスリッパに履き替えてリビングへと二歩、三歩と歩を進めたところで
ガチャンッ。
何かが閉まる音がして、ビックリして音がした玄関の方へ振り返ると、ユキが玄関のドアの内側にガッチリといくつもの鍵で施錠をしている姿をしっかりとこの眼が捕らえた。
途端に恐怖で全身が粟立ち、顔が強張る。
ユキはそんなわたしに気付くと、それでも何でもないような表情をしてわたしを「さぁ、こっちだよ」と、リビングへと招いた。
リビングは広々としていて、シンプルながらも洗練された家具が必要最低限置かれているだけだったが、大きくて高い窓から差し込んでくるたっぷりの陽射しが何か救いのような気がした。