愛しの鳥籠〜籠のカギ篇〜

そこに書かれていたのは、11桁の数字ーー。

ケータイの電話番号だった。

反射的に顔を上げてお兄さんを見れば、今風な整った顔で「お待ちしております」と、にっこりとわたしにその破壊力抜群の笑顔を向け、レジから離れて行ってしまった。

しばし呆然とレシートの裏の番号を見る。

…これは、悪戯?それともーーー

この番号にかけたら、きっと何かが終わって始まる。

「何か」が一体なんなのかは分からないけれど、自分にとってとても大きな何かがーー

そんな気がして、少しの戸惑いと疑念。
そして、大きな好奇心に掻き立てられ、次の彼氏候補の男との約束をその場で破棄して
久しぶりの高揚感を抱きながら家路へと向かった。
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