ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
「ああ、あの太っている人ね」
遠慮なく私の体形を嘲笑する原研修医。藤井さんは顔を青くした。
まったく、くだらないことで新人さんを困らせるんじゃないわよ。
「はーい、私が担当でーす。藤井さん、もう行っていいよ。仕事回ってないんでしょ」
勢いよく手を上げ、藤井さんに声をかける。藤井さんはぺこりと頭を下げ、病室の方へ行ってしまった。
こういう人種は相手にするだけ無駄。電子カルテで指示を確認すると、進藤ドクターからのコメントが入っていた。
処置をするなら、直接電話で予告しておいてほしかったな。進藤先生の処置の前に、先ほどの患者さんに痛み止めを届けてから緊急の採血をしなきゃならない。
誰か、代わりにできそうな人いないかな。処置の介助は私がやろう。
「ねえ、君が代わりに入らない? 進藤先生も、この太っている人よりきれいな人が補助に入ってくれた方がうれしいと思うな」
原研修医の声に振り返ると、忘れ物をしたのか、戻ってきた藤井さんがまた捕まっていた。なんて運のない子だろう。
「ち、千紗さんは憧れの先輩です。患者さんにも私たちにも優しくて、仕事もできるんです」