ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
藤井さんが震える声で言い返した。原研修医が顔を醜悪に歪める。このままじゃいけない。
「いやー、藤井さん優しいな! 私は大丈夫だから、早く自分の仕事に戻りなよ。進藤先生の処置には私が入るから、申し訳ないけどこの薬をあと、この薬を届けて、こっちの採血をパートの佐伯さんにお願いしてくれる?」
「でも、千紗さん」
「いいから。今日はノー残業デーだからねっ。頑張れ!」
大きな体で藤井さんを隠すようにして背中を押した。庇ってくれたのはうれしいけど、そのせいで彼女が目の敵にされてはいけない。
「……仕事できるわけないよな。デブってだいたい、自己管理ができないだらしない系だ」
原研修医はまだブツブツ言っている。まだ言うかって感じ。もういいよ、仕事しようよ。
無言で処置に使うものが入ったカートを押そうとしたとき、私の手に大きな手が乗った。
「俺が押す」
原研修医とは別の声だった。びっくりして顔を上げると、視界に白いものが広がった。